大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)1790 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件は名古屋高等裁判所に差し戻す。

理 由

弁護人相沢登喜男の上告趣意について。

所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。

職権により調査するに、本件差戻後の第一審判決は被告人に犯罪の証明がないと

して無罪を言渡したのに対し、原審裁判所はなんら事実の取調をすることなく第一

審判決を破棄し、訴訟記録並びに第一審裁判所において取り調べた証拠のみによつ

て、直ちに犯罪事実の存在を確定し有罪の判決をしたこと明らかである。かような

ことは刑訴四〇〇条但書の許さないところであり、右の違法は原判決を破棄しなけ

れば著しく正義に反するものと認むべきものである(昭和二六年(あ)第二四三六

号、同三一年七月一八日大法廷判決、集一〇巻七号一一四七頁参照)。

よつて刑訴四一一条一号、四一三条本文により原判決を破棄し本件を原裁判所で

ある名古屋高等裁判所に差し戻すべきものとし、裁判官全員一致の意見で主文のと

おり判決する。

検察官 福島幸夫出席

昭和三二年一一月一五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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